2021年、後輩である井口和朋投手への暴力事件を発端に、突如読売ジャイアンツへ無償トレードされた中田翔選手。
そんな中田翔選手ですが新天地ではイマイチパッとした成績を残せていません。
今季も大幅な増量をするなど開幕前から意気込みは強かったのですが、22年6月30日現在打率.227・HR7・23打点と精彩を欠いています。
そんな中田翔選手ですが、驚くことに2位の広島マクブルーム選手に約4万票の差をつけ、オールスター中間投票で一塁手部門のトップに躍り出ています。
なぜ?この成績で1位を取れるのか?果たして人気のなせる技なのか?徹底的に解説していきます。
中田翔選手がオールスターに選出?
まず始めに中田翔選手が巨人に移籍してからの、これまでの活躍度を見てみましょう
2021年シーズン真っ只中、中田選手が起こしてしまった不祥事は皆さんご存じかと思います。紆余曲折を経てジャイアンツへの電撃無償トレード…腑に落ちない方も多いのではないでしょうか?
当初は賛否両論だったこの移籍劇。ただ巨人は“駒田徳広”・“阿部慎之介”といった生え抜き選手が背負ってきた背番号「10」を与えています。この事からも十分な期待が伺えます。
それに反して、残念ながら移籍後の中田選手は、日本ハム時代とは打って変わり大不振。21年は打率.177・7本塁打と新人二年目の9本塁打を下回り10年連続二桁本塁打も途切れてしまいます。
22年の今期も出場試合は48試合、打率.227・7本塁打と安定感を欠き一軍・二軍を行ったり来たり…という状況です。
二軍落ちは早くも2回。
そんな状態でも中田選手は去る6月8日に、オールスター投票一塁手部門、第1位に躍り出ます。事もあろうか選手登録末梢中、二軍に滞在中の出来事でした。
確かに22年度前半戦、セリーグ各チームのファーストは頭一つ抜きんでた選手がいません。2位の広島マクブルームは打率.272・7本塁打、3位の中日ビシエドは.270・7本塁打と例年になく低いレベルです。
数字だけ見ると中田選手はドングリの背比べの中、積み重ねてきた人気と経験値そして日本人というアドバンテージで選ばれた感が否めませんね…
そして一時期に比べ野球ファンが巨人一辺倒ではなくなりつつありますが、やはりそのネームバリューは相当のものだと思います。
中には「これをきっかけに心身共に成長してほしい」といった意見もあります。
中田翔選手はオールスターに出場するつもりなのか?
結論から言うと、おそらく中田翔選手はオールスターゲームに出場するでしょう。
怪我で登録抹消や2軍落ちを経験した訳ではありません。成績の如何はともかく体調は万全です。しかも交流戦などで積極的に元チームメートとコミュニケーションを取る姿が度々目撃されています。
球宴で昔馴染みのパリーグ仲間に会いたいというのは当然でしょう。選定基準の「10試合以上出場、20打席以上」という条件も軽くクリアしています。
それとは別にファン投票で選ばれた選手が球宴を辞退した場合『後半戦10試合の出場停止』というオールスターならではのルールがあります。
ただでさえ出番が徐々に減り始めている中田選手。この10試合というペナルティは確実に避けたいはずです。
中田選手は6月26日の対ヤクルト戦で代打7号ホームランを放ちました。この7本という数字は毎年恒例の「ホームラン競争」に出場できる条件です。
現実的には同僚の岡本選手・ヤクルトの若き主砲村上選手などフレッシュな顔ぶれが多く、分け入る隙はないでしょう。
しかし7本塁打は中田選手にとって、一つの区切りになると思います。
中田翔オールスター選出に反対派の意見は?
その一方で中田翔選手のオールスター選出に苦言を呈する人も少なくありません。
TwitterなどのSNSでは当然その出場を疑問視する声もありますし、出場辞退を進める声も上がるほどです。
スポーツ専門家の一般社団法人日本スポーツマンシップ協会理事の江頭満正さんは以下のように語っています。
オールスター戦は、球場で観戦する人やテレビで見る人が、本当に楽しめる選手を選考するのが理想的です。
テレビ番組で名前を知っているから、アナウンサーと結婚して話題になったから、という理由で投票される票が多くなると、『オールスター』という名前と異なる選手選択が行われてしまう危険性があります。
また、球団などによる投票呼びかけが、プロ野球に少し興味がある程度のファン層に影響を与え、偏った結果になる事態も起きています。ファン投票の方法には改善点が多く存在しそうです
引用:オトナンサー
確かに人気商売の側面を持つのがプロ野球です。中田選手の古巣・日本ハムに「新庄剛志」監督が就任し、ビッグボスフィーバーが起きたのも記憶に新しいでしょう。しかし現実は日本ハムはダントツの最下位に沈んでいます。
線引きは難しいのですが、やはり球宴への出場条件が軽いような気がします。
そして中田選手は今まで計8回オールスターに選出されています。
日本ハムの最多選出は日曜朝のご意見番こと『張本勲』氏の16回ですが、東映フライヤーズでの選出も含むので、純粋な日本ハム選手ではミスターファイターズこと『田中幸雄』氏の9回となります。中田選手はファイターズに限れば歴代3位の8回出場を経験しています。
その点からも“場馴れ”している印象を受けますよね?オールスターの常連である中田選手。ジャイアンツでの初出場を待ち構えているのかも?知れません。
中田翔が選手登録抹消中でも球宴に選出される理由は?
6月1日に発表されたファン投票の中間発表で、セ・リーグの一塁手部門で中田が2位につけているのだ。1位は広島東洋カープのマクブルームだが、908票差と非常に僅差。
さらに、この投票結果を受けてSNS上では「#中田翔をオールスターへ連れて行こう」のハッシュタグが出来あがり、投票を呼びかける声が多くあがっている。
引用:Yahooニュース
中田翔選手は日本ハム時代から多くのファンを抱えています。
今回の中田選手の球宴選出には2通りの理由があります。
セリーグの一塁手に秀でた選手がいない
一つはセリーグの一塁手に秀でた選手が見当たらない点です。中田選手に続く候補者も成績は似たり寄ったりで、ファーストとしてはいささか物足りない点があるのは確かでしょう。
中田選手以下は上位陣は全て助っ人外国人です。そんな横並びの中、古くから人気が根強い中田選手がトップに選ばれるのは、ある意味当然だと思います。
一昔前インターネット掲示板の悪乗りで1軍登板がない川崎憲二郎投手が先発部門1位に選出される『川崎祭り』が起きたことで、オールスターの組織票はかなり厳しくなり相応の対策が練られています。ですから組織票などはあり得ません。
中田翔の人気の高さ
今回の中田選手のオールスター出場は人気も含めた実力です。この「人気」の高さが二番目の理由です。
人気の理由はSNSなどをつぶさに見渡すと、やはりその「親分肌」気質にあるようですね。全日本の4番を担っていた経歴も物をいうようです。
前述のようにTwitterでは【#中田翔をオールスターに連れて行こう】というハッシュタグさえ作られています。登録抹消期間中もファン投票が進むわけです。
流石に暴力の肯定はナンセンスですが、これだけ熱心なファンが多くいる事はかなりのアドバンテージでしょう。中田選手自身、暴力事件を起こすまでは「兄貴肌」「面倒見が良い」「チームのまとめ役」という立ち位置でした。
暴力事件についても細かい部分を加害者当人が黙して語らず、いつの間にか有耶無耶にする…という空気を当時は強く感じました。
まとめ
色々と考察しましたが、やはり最後に出場の意思を決めるのは他ならぬ『中田翔』選手自身です。外野が「99%」出場するだろうとアレコレ言っても、残りの1%は中田選手の気持ち次第です。
平成初期の話ですが、西武ライオンズの当時のエース「郭泰源投手」が後半戦のため球宴を辞退する出来事がありました。当時はかなりの批判を浴びたものです。
中田翔選手も出場するからには…期待に恥じない活躍をしてもらいたいものですね。