氷上の蝶のように美しい演技を見せてくれるのは女子フィギュアスケート選手の紀平梨花選手です。
紀平梨花選手はより自分のスケート技術を磨こうと、これまでに数々のコーチと共に練習に励んできていることがわかりました。
そこで今回は、紀平梨花選手の歴代コーチ事情についてまとめてみます。
紀平梨花歴代コーチ陣
紀平梨花さんのこれまで担当されたコーチには6人いることがわかりました。
時系列に沿ってご紹介していきます。
歴代コーチNo.1岡本治子(おかもとはるこ)
岡本治子コーチは1968年に行われたグルノーブルオリンピックに出場経験をお持ちの方です。
1968年に現役引退されて指導者として活躍されていました。
一時期はコーチ業から離れたこともあったようですが、厳しい指導で有名な濱田美栄コーチに要請されて宮原智子さんなどの指導を行っていたようです。
1945年生まれとのことで2022年時点では70代半ばということもあり、一時は宮原智子さんたちに指導者として復活したものの、すでにコーチも引退されている可能性が高いです。
宮原知子さんは幼少期に濱田美栄コーチの元で指導を受けています。そのタイミングで岡本治子コーチに師事していたとなると、紀平選手も幼少期に指導を受けていた可能性が高そうですね。
紀平選手は5歳の時にスケート教室に入っています。もしかすると、ノービス時代の指導者だったのかもしれませんね。
歴代コーチNo. 2 濱田美栄
濱田美栄コーチは、メインとなって紀平選手のコーチ兼サポートを担当されていたといってもいいのではないでしょうか。
濱田美栄コーチは京都醍醐FSC及び関西大学アイスアリーナでコーチを務めています。
濱田コーチは35年以上ものコーチとしての指導歴があり、その中でも有名な選手には、宮原知子さんや本田真凛など数々の選手を指導されてきています。
宮原知子さんと言えば、オリンピックにも日本代表として出場経験のある選手でした。
そんな素晴らしい選手を何にも輩出している濱田美栄コーチの指導方針は「厳しい指導」です。
ご自身で言っちゃうのは、もしかしたら「本当は厳しくしたくないけど、選手には成長してほしい」という愛情が隠されているのかもしれません。
選手に向けるこの柔らかい笑顔にすべて表現されているのではないでしょうか。
実際に、厳しいだけではなく「愛情と信頼も兼ね備えている厳しさ」と評判が高いようですよ!
歴代コーチNo. キャシー・リード
キャシー・リードさんは2015年7月から濱田美栄コーチのもとでアシスタントコーチとして指導や振付に携わっています。
キャシー・リードさんは元々、弟のコリス・リード(故)さんと共に、ペアスケートで7度の全日本タイトルを獲得されていて、アイスダンス界の先駆者として活躍されていました。
怪我などによって引退された後、振付をしてみたいという想いがあった時に声をかけてくれたのが濱田コーチだったんです。
プログラムの振付を主に担当しているようなので、紀平梨花選手の美しい振付もキャシー・リードさん仕込みの美しさであることでしょう。
2019年3月に行われたアイスショー「スターズ・オン・アイス」ではキャシー・リードさんに振り付けてもらった新エキシビジョン曲「ザ・グレイテスト」を初披露しています。
競技では見られないような素敵な振付を魅せてくれたことでしょう。
歴代コーチNo. 田村岳人(たむら やまと)
「このイケメンは誰だ!?」と話題になったこの方が田村岳人コーチです。
2019年に紀平梨花選手が優勝を飾った選手権大会で、演技後の得点発表を待つ席で紀平選手の隣に座っていたんです。
紀平選手の近くに座っているのですから、当然テレビに映りますよね。そのタイミングで「イケメン誰!?」と話題になっていたそうです。
田村岳人コーチは、長野オリンピック日本代表や全日本選手権で2回度の優勝を飾るなどの実力をお持ちで、2004年に現役を引退されています。
現在、濱田美栄コーチと共にコーチとして指導に力を入れたり、解説者としても活動されているようですね。
そのため濱田コーチ関連で、田村岳人コーチが担当していた時期があると考えられます。
歴代コーチNo.5 ステファン・ランビエール
ステファン・ランビエールさんはスイス出身の元フィギュアスケート選手で高橋大輔選手ともオリンピックに出場し戦った経験のある選手です。
しなやかな身体使いで魅せる表現力は、観る人の心をつかみます。
さらに、何と言ってもイケメン。そのイケメン具合にお茶の間の女性陣は虜になっていたことでしょう。
2010年に引退してからは、荒川静香さんとペアを組んで対戦したり、2010/2011シーズンでの高橋大輔選手のエキシビジョン「アメリ」の振付を担当されたこともありました。
2020年には宇野昌磨選手のコーチにも就任しています。
紀平梨花選手も2020年に拠点をスイスに変更して、日本では濱田美栄コーチに師事し、スイスではステファン・ランビエールさんに指示することを発表しています。
そして、2020年の年には四大陸選手権で2連覇となる優勝を飾り、翌シーズンにも全日本選手権で2連覇を果たしています。
この功績にはステファン・ランビエールコーチの影の功績があったことでしょう。
歴代コーチNo.6 ブライアン・オーサー
それまでステファン・ランビエールコーチのもとで練習に励んでいた紀平梨花選手でしたが、北京オリンピックの半年前に突如、ブライアン・オーサー氏に師事することを決めています。
ブライアン・オーサーコーチといえば「ミスター・トリプルアクセル」の愛称です。
当時はまだトリプルアクセルが最高難度のジャンプだった時代です。
その時代にトリプルアクセルが飛べて、かつ美しく、安定したジャンプが飛べる数少ない選手であったことからこの愛称で親しまれていました。
今でいう引退前の羽生結弦さんでしょうか。
また、浅田舞さんのライバルと呼ばれたキム・ヨナ(韓)さんやハビエル・フェルナンデス(西)さん、エフゲニア・メドベージェワさん(露)の指導歴もあるとんでもないコーチなんです。
北京オリンピック前の急なコーチ変更のワケは?
ステファン・ランビエールコーチのもとで2020年シーズンまで好調だった紀平梨花選手ですが、徐々に翳りが見え始めます。
精神的にも影響を与えたのが2つの大きな出来事ではないでしょうか。
紀平梨花の移籍トラブルの真相
まず、2020年8月に週刊誌で報じられた「紀平梨花の移籍トラブル」です。
「実は、濱田コーチと紀平のお母さんとの間に距離が生まれているんです」
引用:デイリー新聞
「紀平はまだ高校生ですから、当然、お母さんの意向が第一。濱田コーチは紀平をジュニアでじっくり育てたい方針でしたが、お母さんは早くシニアに転向させたかった。結局、お母さんの判断が優先され、結果、彼女は世界トップの一人になったわけですが、その辺りから隙間風が吹きだしてしまったようなのです」
引用:デイリー新聞
実際の真相は、紀平梨花選手サイドはコメントしていないため真相は不明でしたが、原因は紀平梨花選手の母とコーチ陣との確執があったことではないか、と言われています。
週刊誌報道のきっかけは、紀平選手は「関大KFSC」に所属していましたが、突如「N高東京」に移籍していることでした。
この「N高東京」という学校は通信制高校でフィギュアに縁もゆかりもない学校です。
一般的にフィギュア選手の場合、所属先はメインスポンサーか練習拠点のクラブとするのが通常です。
「ANAやトヨタの感触を内々に探ってみたそうですが、コロナでそれどころではなく、良い反応を得られなかった。JALも候補でしたが、同世代の本田真凛が所属しているためにNG。結局、元サヤに戻って、濱田コーチがGMを務める、木下グループ運営の新クラブに行くことでまとまりかけていましたが……」
引用:デイリー新聞
同年11月にはトヨタ自動車に入社し、所属もトヨタ自動車に変更となっていますが、この縁もゆかりもない学校が所属先となることが異例として週刊誌に取り上げられるほど大きな話題となったんです。
まだ若い紀平梨花選手。
大人が、紀平選手の将来を考えて動きたい気持ちはわかります。
しかし、大人の考え方や都合に振り回されて、練習に集中できないなんてことになったら、本末転倒ですね。
紀平梨花を襲った怪我
さらに2021年からは不調の時期に突入します。
腰痛に悩まされ思うように練習ができなかったり、夏頃には右足疲労骨折の診断を受けGPは欠場しています。
この右足疲労骨折の影響は大きく、この年に行われた北京オリンピックの選考会となる大会をことごとく欠場し、結果、北京オリンピックの切符は夢になってしまいました。
北京オリンピックの代表候補の1人として名前があり、日本代表としての実力も持っていただけに、怪我に悩まされ、紀平梨花選手も相当悔しかったことでしょうね。
実は、この北京オリンピック開催まで半年を切ったところで、紀平梨花選手は、ステファン・ランビエールコーチからブライアン・オーサーコーチに変更しているんです。
この時期でのコーチ変更は「異例だ」とまで言われても、変更する理由はなんだったのでしょうか。
ブライアン・オーサー師事は「ジャンプ技術向上」
怪我を堪えてまでコーチを変更し、練習に力を入れた理由は、北京オリンピックを見据えた「ジャンプの完成度を上げること」であると考えられます。
元々紀平梨花選手は、6種類の3回転ジャンプを飛ぶことが出来ます。
1つ1つのジャンプの完成度も高いので、コンビネーションジャンプの成功度にはとても定評がある選手です。
ただ、それでも世界の女子フィギュアスケート界のジャンプのレベルが上がっていることが影響しているのでしょう。
3回転ジャンプは飛べて当たり前、4回ジャンプの時代に入ってきているのです。
そのため、より点数の高い、完成度の高いジャンプを飛ぶことができるように、つまり、「4回転ジャンプを習得するため」に、このタイミングでのコーチ変更という判断に至ったのだと考えられます。
また怪我というリスクを背負っての挑戦ですので、紀平梨花選手自信も、頑張りたい半面、不安の面も大きかったのかもしれません。
その精神状態を鑑みたステファン・ランビエールコーチが、濱田美栄コーチに相談した結果、ブライアン・オーサーコーチを紹介したのかもしれませんね。
現在の紀平梨花は?
2022年9月1日に、日本スケート連盟は理事会で、2022年に行われるGPシリーズ2戦の出場が決まった紀平梨花選手を強化選手Aで復帰させることを発表しています。
ブライアン・オーサーコーチは紀平梨花選手の怪我の重さを考え、怪我の治療を優先させ、4年後に焦点を合わせて気持ちを切り替えることに重点を置いていたようです。
結果、GPシリーズからの復帰を確実にすることができました。
紀平梨花選手のスケート技術、美しさに高評価を示しているブライアン・オーサーコーチ。
昨年の9月くらいにカナダに来た時に、クリケットクラブで彼女がジャンプをするのを見て、そのスピードと質の高さに思わずトレイシーと顔を見合わせました。これが、リカが世界で注目されてきた理由なのだ、ということを再認識したのです
引用:Number
怪我を乗り越え、北京オリンピックに出場できない悔しさを乗り越え、今後、復帰した紀平梨花選手。
再び蝶のように美しく舞い、またさらに進化した紀平梨花選手の演技が観ることができることが楽しみでしょうがありません!
無理はせずに、素晴らしい演技と結果を日本のお茶の間に届けてくれることに期待です!
まとめ
紀平梨花選手の歴代コーチは6人いることがわかりました。
現在はブライアン・オーサー氏に師事し、怪我の調子を整えながら懸命に練習に励んでいます。
怪我を乗り越えた紀平梨花選手が、素晴らしい演技を再び見せてくれることに喜びと、今後もきっと活躍して素晴らしい結果を運んでくれることを期待し、今後も応援していきます。